2011
Project details
築70年の木造旧郵便局舎をリノベーション。 丹波篠山、立杭焼の窯元が多く集まるエリアに近い「今田(こんだ)」に1943年に建てられた小さな木造2階建ての郵便局舎。 1990年に新局舎に業務移転したのち、約20年間、年月とともに朽ちるがままになっていたこの空間に、新しい光と命を吹き込みました。 この場所を引き継ぐ為に行なったことは、出来るだけ手を加えない事。そんな当時の記憶を残すように、白いペンキの剥げた外観や、郵便局時代の面影の残る事務カウンターや意匠などもそのままに。 廃墟同然だった1階住居棟と2階は手を入れる必要があった為、アンティークのドアやスイッチをバランスよく配置し、和と洋、新と旧が交じり合って織りなす「懐かしくて新しい」そんな主張しすぎない静かな世界観を創り出しています。 あえて残した余白が空間にゆとりをもたらし、丁寧に改修したディティールの積み重ねによって生まれる心地よさがある。 大量生産され、消費されていくものではなく、100年先までも愛され残っていく「もの」や「こと」を、届けたい。 この場所だからこそ伝わる事がきっとあると思う。
colissimo